円形脱毛症に育毛剤は効果ある?


円形脱毛症になってしまって、つむじのすぐ下に500円大のハゲがあります。仕事や身体的な不調が続いてストレス溜まっていたのが原因かな?と思うんですが、育毛剤を使うと髪は生えてきますでしょうか?やっぱり病院に行ったほうがいいですか?
「円形脱毛症に育毛剤は効果ある?」質問に回答します!
円形脱毛症の原因はストレスだと思っている人が大半だと思いますが、現在ではストレスがきっかけで発症することはあっても、その大元は、免疫の異常が原因で起こる自己免疫疾患だと考えられています。
※これまで円形脱毛症の原因といわれてきたものには、「自律神経の乱れ」「頭皮の血行不良」「内分泌異常」「遺伝」「ウイルス感染」とさまざまあります。
自己免疫疾患としての円形脱毛症が起こる仕組みですが、
1、病原体などから守る免疫細胞のTリンパ球が頭皮の下にある毛根を異物と見なして攻撃する。
2、毛根の周りで炎症が起きて毛が抜ける。新しい毛も眠ったような状態になり、生えてこない。
というもので、多くの場合、髪の毛がある日突然、前触れなく抜けます。
ストレスが引き金になって抜け毛がはじまるケースが多いようですが、他にもインフルエンザなどのウイルス感染による高熱、疲労といったことでも一時的な免疫異常になり、円形脱毛症を引き起こす引き金になることがあります。
ただ、特に思い当たる出来事がないのに円形脱毛症を発症する人も多くいて、免疫の異常といってもなぜそれが起こるのか?という発症メカニズムそのものは解明されていません。
つまり、「なぜ発症するかが分からない以上は予防のしようがない」ということなんですね。
円形脱毛症に一般的な育毛剤は効果がない!?
ここまでの円形脱毛症の解説でもわかるように、血行不良や毛周期のサイクルの乱れいったことが原因であるケースが多い加齢にともなう抜け毛や薄毛と、円形脱毛症はその脱毛のメカニズムがまるで違うわけなんですね。
脱毛のメカニズムが違う以上は、加齢にともなう血行不良や毛周期(ヘアサイクル)の乱れを正す効果のある育毛剤を使ってもそこまで大きな効果は期待できないのでは?というのが当サイトの見解です。
ただ、皮膚科を受診した際に処方してもらうことがあるフロジン液(塩化カルプロニウム外用)という塗り薬には血管拡張作用があり、頭皮の血行を促進する目的で使います。血行を促進することが円形脱毛症にも「効果がある」と考えるお医師さんもいるわけですね。
それを考えると、血行促進のための有効成分を含有している育毛剤であれば円形脱毛症にも多少は効果が期待できるかな?といったところ。
「効果があれば儲けもの」ぐらいの気持ちで使うのがいいかもしれません。
円形脱毛症の特徴と症状について
円形脱毛症の特徴や症状について簡単にですがまとめてみました。

体質が関係していると思われるが、必ずしも遺伝とはいえない
性別や年齢に関係なく、1000人に1~2人の割合で発症する
自然に治る場合もあるが、再発しやすい
早めに治療すればまた髪の毛が生えてくる可能性も高い
免疫系の異常が原因であると考えられる(※)
※ アトピー性皮膚炎や花粉症などアレルギー疾患やリウマチなど自己免疫疾患にかかっている人がなりやすい傾向あり。
単発型/円形の脱毛が1~2か所できる
多発型/円形の脱毛が3カ所以上できる
全頭型/頭部の全体が髪が抜ける
汎発型/髪だけでなく眉毛や体毛すべてが抜ける
たいていは単発型の円形脱毛症であり、数か月様子を見ていたところ治ったというケースが多いようですが、なかなか治らないという人も当然いますし、単発型⇒多発型に悪化したり、治っても数か月以内に再び発症してしまう人も少なからずいるようです。
髪型を工夫すれば隠せる程度の脱毛(=ハゲ)であればいいんですが、隠しきれない場合は見た目が非常に気になりますから人目を避けがちになり、対人恐怖症や視線恐怖症から引きこもりになるというケースもあるので軽く見ないほうがいいです。
※大人の場合、ウィッグやかつらで隠すという方法もありますけど、それも負担がかかります。
単発型の円形脱毛症であればおよそ60%が自然に治るということですが、髪が生えてくる気配がないようなら医療機関を受診したほうがいいでしょうね。隠すことばかりに気を取られて治療を開始するのが遅くなると、その分、髪の回復が遅れてしまいますので。
円形脱毛症に気づいた時点で、すぐに医療機関(皮膚科or脱毛外来)で診てもらったほうが治療を早く始められる分、また髪が生えてくる可能性も高くなるため、後になって後悔することもないはずです。
円形脱毛症の治療
円形脱毛症の治療では脱毛の範囲によって軽症・重症と判断しています。
<軽症>脱毛範囲が25%未満
<重症>脱毛範囲が25%以上
通常はまず抗アレルギー剤を服用したり、免疫細胞の働き抑えるステロイド薬が使ってTリンパ球の活動を抑制します。脱毛部位に直接注射でステロイドを打つという方法が有効で、月1回の使用で7~8割の成功率だとか。
その他の円形脱毛症の治療方法は以下のとおり。
局所免疫療法
薬で人工的なかぶれをつくり、そこにTリンパ球呼び寄せて免疫のバランスを調整する。
PUVA療法
患部に紫外線を当て、自己免疫反応を抑える。
フロジン液
血管拡張作用のある外用薬を使用する。
ステロイドパルス療法
内服の10~20倍という大量のステロイド剤を3日間点滴する方法。※16歳以上の重症患者限定
どのような治療方法が採用されるかは受診した皮膚や医師の方針であったり、症状の進行具合によっても異なると思います。いずれにせよすぐに髪が生えてくることはなく、早くて3週間後、遅い人だと半年かかってやっと産毛が生えてくるというものだと思っていたほうがいいです。
免疫を司る腸内環境を整えることで円形脱毛症の改善につながるかも?
通院と自宅での薬の使用以外ではやはりバランスのとれた食事と規則正しい生活に気を付ける必要があります。抜け毛を気にしてシャンプーを控える人もいるようですが、シャンプーの頻度で抜け毛が増えるor減るということはありません。
頭皮を清潔に保つためにも洗髪は行ったほうがいいです。
最近は腸内細菌と自己免疫疾患との関係性も明らかになってきていることもあり、腸内環境を整えることが円形脱毛症の治療に効果がありそうだと注目を浴びています。
腸内環境を整えることで花粉症やアトピーの状態が改善・緩和されたという話を耳にすることが増えてきましたが、円形脱毛症も自己免疫疾患の1つである以上は、腸内細菌のバランスを整えることで免疫機能の正常化が図れるかもしれません。
医療機関での円形脱毛症の治療はあくまで対症療法であり、根本的な治療方法は確立されていません。原因からきちんと治せるのであれば、円形脱毛症が再発するということはないですからね。
しかし、腸内環境を整えて免疫機能を正常することができれば、それはすなわち体質改善=根本的な治療となります。
あくまで腸内環境を整えて円形脱毛症を防ぐというのは当サイトが考えた仮説でしかありませんが、「アレルギー・免疫・円形脱毛症・腸内環境」の関連性を考えると、あながち悪くない仮説だと思うんですか、いかがでしょうか?